ABOUT Project NAG

『マレーシア国立美術館・建国50周年・保存修復講習プロジェクト』
マレーシア“文化の保存“共同実習ワークショップ

国際交流基金 市民青少年交流 助成
ミュゼオロジー/保存科学専攻 平尾大輔教員 


2007年に建国50周年を迎えるマレーシア。 マレーシア国立美術館(通称NAG)の招請により、平尾大輔先生のもと、大学春休みに保存科学学者・専門家と大学生・研究生参加による第一回目の収蔵品の保存修復状況の調査&ワークショップを行いました。07年度より大学・研究機関カリキュラムでテキストの作成等を進め、夏期休業などを利用し保存修復技術(コンサベーター)の人材育成・講習会をマレーシアで推進する予定です。 マレーシア国立美術館は大変立派な近代的建築で、その修復室も最新の設備が整い、保存修復担当の人員スタッフも充実しています(日本の国立美術館をしのぐほど!)。ただ国内に保存科学者(コンサベーター)がおらず、修復技術も充分とはいえないため、収蔵品の保存状態は決して良好ではありません。この度マレーシアが建国50周年を迎えるにあたり、大規模展覧会の準備・総整備が進められ、これらのサポートと人材育成カリキュラムの研究を行うことになりました。


第一回目となる今回は、実際的に


●何が修復の対象なのか


●何が足りないのか


●保存の状況はどうなっているのか



など文化の保存における問題点の抽出に力点を置いた総合・多角的な面から、ヒアリング・リサーチ・共同実習をおこないました。


また、首都クアラルンプールとその周辺エリアにある美術館・博物館において、 施設学芸員とともに交流の機会を設け、マレーシアにおける「美術品/工芸品/歴史文物」保存の現状について収蔵品の視察や専門スタッフの方との質疑応答や問題解決への話し合いを持つことができました。そのほか、関連文化施設や古都マラッカを訪問。マレーシアの文化意識、社会状況を踏まえた考察を基に、大学カリキュラムとの連動により、今後の文化支援に役立てたいと考えています。


※本稿の文章、構成アイディアは全て参加学生によるものを基本としています。


訪問先:国立美術館、国立博物館、アジア芸術博物館(国立マラヤ大学内)、私立イスラム美術博物館、国立クラフトコンプレックス、企業ミュージアム・ペトロナスギャラリー、 KL パフォーミング・アーツ・セ ンター 、古都マラッカ


構成人員非営利法人 アートコンサベイションラボラトリー(教員:平尾/代表)
※国内保存科学者、専門家による任意団体。海外文化財の保存修復プロジェクトを手がける。
国内学生(武蔵野美術大学、女子美術大学、筑波大学大学院/世界遺産コース、早稲田大学、中央大学、他)



期間マレーシアプロジェクトは06年4月大学教員が国立美術館を来訪しスタート。各教員・専門家の大学・研究機関カリキュラム、講義等にて内容を推進。07年春期休暇に約2週間ワークショップを行う(参加人員の都合により、出発帰国の滞在に差がある)。

 
 
   
 
   
 
   
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